小児外科は生まれたばかりの赤ちゃん(新生児)から学童期(中学生:16歳未満)までのお子さん方の外科治療なら国立岡山医療センター小児外科まで。

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2014年6月24日

玉のお話

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日本の少子高齢化も本格的に進み始め、人口減少し始めたことから、政府は最近「50年後に1億人」という目標を掲げました。やはり国の基盤は人ですから少子化対策にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

小児外科の扱う病気の中で男性不妊に関与する病気があります。乳児期に精巣が陰嚢内に下りていない停留精巣という病気です。精巣は胎児期に背中側の腎臓のあるあたりで発生し、徐々に陰嚢の方に下降していきます。生まれたときに陰嚢内に余裕をもって入っていれば正常です。ただ生まれたときにちょっと高くても生後3か月ごろまではまだ下降を続けるとされています。生後半年を過ぎて経験豊富な医師が精巣の位置が高いと診断した場合は停留精巣ということになります。経験豊富なと述べましたのは軽い停留精巣は、挙睾筋反射が強くて精巣が陰嚢より頭側に上がってしまっている移動精巣との区別が非常に難しいからです。移動精巣の場合は基本的には将来自然に陰嚢内におさまり、治療の必要はありません。一方停留精巣は放置すると不妊や精巣悪性腫瘍の発生率の増加に関与するとされていますので手術で治療が必要です。手術の時期ですが、さまざまな意見はありますが、当院では現在1歳頃を目安にしています。停留精巣は治療すれば子供ができます。私が香川小児病院にいたときに、昭和50年代に停留精巣の手術をされた方に調査にご協力いただきお子さんがいらっしゃるかどうかを調べたところ、結婚している方の80%以上の方にお子さんがいらっしゃいました。これは過去の海外からの報告と同様の結果でした。

今日は不妊に関与する可能性のある小児外科の病気について書きました。個人の事情、考え方はあるとは思いますが、日本の未来のために可能な方は3人以上子供を産んで立派に育てていただきたいと思います。私自身はノルマクリアしてますが、子育てにあまり協力できていないので大きいことは言えません。中原でした。

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