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2013年12月10日
ヒルシュスプルング病の手術

もうすぐクリスマスです。街はイルミネーションで飾られ、大人になってもやはりこの季節はわくわくする感覚があります。サンタクロースも今頃プレゼントの準備で大忙しでしょう。サンタクロースはフィンランド北部のラップランドに住んでいるとされていますが、そのフィンランドのヘルシンキ大学からは、小児外科の病気に関する長期的なフォローアップ成績についての有用な論文が数多く報告されています。特に食道閉鎖症、鎖肛、ヒルシュスプルング病などに関する論文は非常に参考になります。我々の施設で行っているヒルシュスプルング病に対する経肛門的根治手術ですが、実はこのヘルシンキ大学のRisto Rintala先生の術式と似たような(若干切開ラインやCuffの処理は異なるんですが)Short Cuff Soave法で行っています。このShort Cuff Soave法は、de la Torre-Mondragon先生やJacob Langer先生から1990年代後半に経肛門的なヒルシュスプルング病の根治術式が報告された後、Muscle Cuffを短くして効率がよく、Cuffのroll downにともなう狭窄などの合併症を生じない術式としてヘルシンキから報告されています。実際Jacob Langer先生も後にこのShort cuff Soaveを行うようになっています。ヒルシュスプルング病の大半はこの経肛門的手術で行えますし、長いタイプも腹腔鏡と合わせて行えば傷はほとんど目立ちません。ヒルシュスプルング病に対する手術の根本的な部分は、何十年もあまり変わりは無いのですが傷が無いということは大きな進歩と思います。
フィンランドはヨーロッパで日本からもっとも近い国です。寒いところはあまり好きではないのですが一度は訪れてみたいですね。本日は非常に専門的な話題でごめんなさい。中原でした。
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